
- ホーム
- 研究業績案内
- 膝関節温存を目的とした足底板および新規組織修復・再生材料の開発
-
当科では三洋化成工業株式会社(三洋化成)が保有する遺伝子組み換えタンパクであるシルクエラスチンの整形外科領域への応用を目標として共同研究を2023年より開始している。特に膝関節の半月板に関しては三洋化成が2024年にAMEDに採択されている「半月板根治を目指す革新的治療技術の開発及び事業化」の分担機関として広島大学とともに参画しており、2025年の企業治験実施に向けて研究を行っている。
また、足下から膝関節を温存するための新たな足底板の開発に向けて2024年より島根県大田市にある中村ブレイス株式会社と共同研究を開始している。
- 「血管柄つき同種骨移植による骨欠損の再建」の研究
-
外傷や腫瘍切除後に生じた広範な骨欠損に対しては、自家正常組織を用いた再建が行われるが、犠牲が大きい。そこで、免疫を抑制した同種骨(他家骨)を再血行化し骨再建に用いるという研究を行っている。
- ①世界で初めて血管柄付き同種移植骨という概念を確立
- ②骨形成促進因子(BMP)の追加でより良好な骨形成
- ③骨吸収が少ないbFGFを用い骨形成と血管新生を促進、人工骨を担体とし徐放化
- ④VEGFでも骨形成と血管新生を促進
- ⑤bFGF添加血管柄付き同種移植骨を大腿骨近傍に固定し骨癒合の証明
現在は、新たな素材を用いて、同種骨の使用を減量した骨欠損再建の研究を進めている。
- キック動作とその解析方法
-
スポーツ検診に関しては、オスグッド検診を2023年より開始しており、小中学生のサッカー選手において、ボールキック動作の動画からオスグッド病の危険因子を明らかにするアプリ開発を香川高等専門学校の研究室と共同で行っている。
- 股関節疾患の病態解明
-
当科では、股関節および大腿骨に関連する疾患を対象に、骨代謝をテーマとした研究を行っています。特に、手術時に採取した不要な骨組織を用いて病態の解明に取り組んでおり、これにより将来の治療法の開発に貢献することを目指しています。
これまで我々は変形性股関節症や大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の患者さんの大腿骨頭を骨形態計測法の手法を用いて解析し、変形性股関節症や大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の病態解明につながる報告をしてきました。今後はこれらの研究に大腿骨頭壊死症を加え、これらの疾患の発生機序のさらなる詳細なメカニズム解明と、発生予防を目指して研究を進めています。