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「Surgeon-Scientistの育成と地域密着型イノベーションの推進」
― 地方からの挑戦 ―
香川大学医学部整形外科学初代上野良三教授から第二代乗松尋道教授、第三代山本哲司教授と築いてこられた教室の第四代教授として2022年9月に着任しました。香川医科大学は1978年に開設され、本教室は1982年に初代上野教授の着任とともに開講しています。
当教室の歴史として、初代上野教授は股関節の骨切り術を中心とした関節温存手術の開発と臨床応用に注力され、その基本理念は現在も股関節外科グループに受け継がれています。近年ではインプラントや術式の改良から臨床成績も向上しており、満足度の高い人工関節置換術が行われています。第二代乗松教授は小児整形外科学およびリハビリテーション医学の研究を進めてこられました。特に骨粗鬆症の基礎研究に関しては骨組織の硬組織を評価するための特殊技術を教室で確立し、現在でも貴重な技術となっています。第三代山本教授は香川県唯一の大学病院として骨軟部腫瘍患者の診断と治療を担ってこられました。また、骨軟部腫瘍に偏ることなく関節外科、手外科を始めとする上肢の外科、脊椎外科、リウマチ関節外科、小児整形外科、マイクロサージャリー、リハビリテーション医学など、運動器疾患に対応できる人材育成が行われてきました。特に、単顆型人工膝関節置換術は全国でも有数の症例数を誇っています。さらに骨粗鬆症研究も継続して行われており、近年注目を集めている骨粗鬆症治療薬を駆使して人工関節置換術を施行する高齢者の骨質を改善し、更なる臨床成績の向上を目指しています。
私の専門は膝関節外科と再生医療・医療機器開発です。初代上野教授が掲げてきた目標と同じ関節温存の理念を掲げており、小児から高齢者まで一貫して関節温存に努めていきたいと考えています。掲げる整形外科医師像は1.“謙虚”な整形外科医、2.“患者さんの声”に耳を傾けることができる整形外科医、3.“愛”ある整形外科医です。“謙虚”な姿勢で現状に満足しないことでより良い医療の開発につながり、“患者さんの声”を傾聴することで様々な不利益を回避し、かつ研究のヒントがもらえます。そして、一人一人の患者さんに“愛”ある態度で接することで自分の周りから地域に貢献できると信じています。また、この職業はサイエンスを常に意識して働く必要がありますし、一生自己研鑽が必要です。大学で研修、働くことで生涯の勉強の仕方を見つけて欲しいと考えています。そして “Surgeon-Scientist”として教室の看板を背負うに値する医療を提供できる診療班の構築を進めます。
教室ではコミュニケーションを大事にしており、少しでも人が集まる教室にできるよう努力しています。私の部屋の扉はいつでも気軽にノックしてくださって結構です。また、香川県は日本一小さい県ということで医療圏としては地理的に有利です。さらに3つの大学が共存する、地方では非常に珍しい環境にあります。県内の関連病院は少ないですが、逆に連携や人材交流がしやすい状況で、香川県全体でお互いをサポートしながら若手医師の育成に励める環境ですし、若手医師に最大限の投資をしたいと思っています。もちろん、教室の医局員を増やすことも目標ではありますが、香川県内の整形外科医の全体数を増やすことも大事だと考えています。そのためには学閥を超えて地域医療を考え、基幹病院と協力して医療に貢献していきたいと考えています。開設40年を超え、医学部再開発も現在進行中です。今後は、人が集まり話しやすい空間の構築を考えています。これから整形外科に入局を考えられている方は是非一度教室に遊びに来て下さい。小さな医局で、ベンチャー企業のように面白い仕事を一緒に考えましょう。
若手医師の可能性を肌で感じますし、最大限引き出したいと考えています。新しい世代の挑戦と更なる発展あるのみです。若手のおかげで教室の雰囲気は非常に明るく、さらによい環境に変わって行くと信じています。
これまでの教室を支援して頂いた全ての皆様に感謝申し上げるとともに、若手整形外科医、そして香川県民の未来のために変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。
香川大学医学部整形外科学教室
教授 石川 正和
沿革
1982年

香川医科大学
上野 良三 初代教授
(昭和57年4月~平成2年3月)
初代教授として上野 良三が着任
主催学会 | 会期 |
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第17回中国・四国整形外科学会 | 昭和59年11月18日(高松) |
第5回日独整形外科学会 | 昭和61年4月2日(東京) |
第14回日本股関節学会 | 昭和62年11月14日(高松) |
第73回中部日本整形外科災害外科学会 | 平成元年10月12日-13日(高松) |
1990年

香川大学
乗松 尋道 第二代教授
(平成2年4月~平成17年3月)
乗松 尋道が第二代教授に就任
主催学会 | 会期 |
---|---|
第27回中国・四国整形外科学会 | 平成6年11月19日-20日(高松) |
第95回中部日本整形外科災害外科学会 | 平成12年10月12日-13日(高松) |
1st Asian Pacific Congress of Bone Morphometry | 平成16年6月24日-26日(高松) |
第22回日本骨代謝学会 | 平成16年8月5日-7日(大阪) |
第37回中国・四国整形外科学会 | 平成16年11月20日-21日(高松) |
2005年

香川大学
山本 哲司 第三代教授
(平成17年4月~令和4年3月)
山本 哲司が第三代教授に就任
主催学会 | 会期 |
---|---|
第46回中国・四国整形外科学会 | 平成25年10月25日-27日(高松) |
第48回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会 | 平成27年7月9日・10日(高松) |
第46回中国・四国整形外科学会 (会場 : 高松国際会議場 他) |
平成25年10月26日・27日 |
第48回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会 (会場 : 高松国際会議場 他) |
平成27年7月9日・10日 |
第136回中部日本整形外科災害外科学会 | 令和3年4月9日-30日 (Web開催) |
2022年
石川 正和が整形外科学の教授に就任
主催学会 | 会期 |
---|---|
第56回中国・四国整形外科学会 | 令和5年12月9-10日(高松) |